人間は例え身体が尽きたとしても、魂は終わりではありません。
人は亡くなりますと、その魂は次の世に向かうための旅(中陰)に出ます。
ここで最も大切なものが『徳』です。
『徳を積む』『人徳がある』と言う言葉がありますが、この『徳の多さ』によって次の世(来世)が決まります。
お経を読み故人に感謝を捧げることは、何よりも徳があることです。
みなさまの心の中には生前故人からいただいた恩や愛情が生きており、それを糧としてみな生きています。
身近な人が亡くなった悲しみの中で落ち着いた気持ちになるのは難しい事かと思いますが、ご一緒に手を合わせ『徳』を捧げて気持ちの込もった温かな葬儀になるよう、お坊さんとして誠意を持ってお勤め申し上げます。
ご葬儀の準備
わたし達は普段の生活の中で、お葬式のことなど考えないと思います。
もちろん考えたくないのは誰でも同じです。
しかし、お葬式を出した経験がないのならなおさら、お葬式がどんなものか、どのようにご準備をすればいいのかを知っておく必要があります。
「お葬式は、どうして行わなければならないのですか?」
と、質問を受けることがあります。
あなたなら、なぜお葬式を行いますか?
故人のためにしますか? それとも、ご自分や遺族の為にしますか?
どちらも正しいと言えます。
「故人のために」と、一生懸命に準備をして見送ったということが、後にあなたのお気持ちを癒やすからです。
もちろん、考え方は人それぞれです。
「成仏してもらうため」「皆に知ってもらうため」と考えている方もいます。
お葬式には、「こうしなければならない」ということは一切ありません。
法律で決められている事は「死後24時間は火葬してはいけない」これだけです。
お葬式を行うという経験は、ほとんどの方が一生のうちで、そう何度もあるものではありません。
「お葬式について何も知らない」というのが当たり前なのです。しかし、その時になると人は平常心ではいられないものです。
後悔しない葬儀を行うためには、次のような事前の準備が大切になりますので参考までにどうぞお読みください。
以下は、葬儀を行う事になったとき、「どの葬儀社さんに依頼するか」「どのお寺にお願いするか」をお決めになる前に、まずご家族でお決めにならなければならない事です。
1 葬儀の規模(会葬者の予想人数と費用)を決める
会葬者の予想人数で大体の葬儀の費用が決まります。
故人のお付き合いで「家族だけ」「親戚だけ」「友人まで」「会社の方たちまで」など、どこまで通知するのかあらかじめ予定を立てる必要があります。
会葬者予想人数が50人なのに100人分の会場と祭壇とお斎(お食事)を用意しては、費用の面でご家族に大きな負担がかかってしまう事になります。
ご葬儀に参列なさるかたは「お香典」という、お気持ちをお持ちくださいます。葬儀の費用をすべてお一人やご家族で抱え込まず、お香典という周りお支えのことも考えてお決めください。
2 葬儀の形式(宗教、もしくは宗派)を決める
日本の宗教はさまざまです。キリスト教や神道のかたもいらっしゃれば、もちろん仏教の方もいます。
わたし達の国には、日本国憲法第20条「信教の自由」があります。
いかなる人も、宗教を信じる自由・宗教を変える自由・宗教を信じない自由がある。
ということです。
特にお決まりでない方や、お悩みの方で源妙寺にご依頼なさる方もいらっしゃいます。
源妙寺は「宗教や宗派を問わずお迎えします」ので、みなさまのご依頼にお答えいたします。
但し、日蓮宗のお経(法華経)でご供養させていただきます。
3 葬儀までの遺体を安置する場所を考える
葬儀を行う時は、火葬の日取りとお時間に合わせ葬儀の日程とお時間を決めます。
友引の日は火葬場がお休みの場合があり、葬儀の日程が伸びる場合がございます。
その時に必要となるのが、ご遺体を安置なさる場所です。
ご自宅からお近くで、斎場や葬儀社さまで預かっていただける場所があればそこをお勧めします。
4 葬儀を行う場所を考える(セレモニーホールや斎場)
ひと昔前はご自宅での葬儀が当たり前でしたが、現代はセレモニーホールや斎場(火葬場)でご葬儀をなさる方が多くいらっしゃいます。
本来であれば、故人が住み慣れたご自宅でお送りされることが望ましいと思います。しかし、ご自宅で葬儀をなさるとご家族への負担が大きい為、セレモニーホールなどで行うのが一般的です。セレモニーホールで葬儀をなさると、使用料がかかることは覚えておいてください。
斎場(火葬場)で葬儀をなさると、車での移動がなく便利です。市(区)の行政が行う斎場(火葬場)があります、その市(区)により使用料が低くなる場合がございますので、各役所にご確認ください。
5 葬儀にかける予算を決める
葬儀にかかる費用はたくさんあります。
葬儀を行う場所の使用料・祭壇の大きさ・棺桶のグレード・お斎(来ていただける方へのお食事の振る舞い)・火葬料・火葬場までのお車代・葬儀社さんの人件費などです。
もちろん「葬儀に費用をかけてしっかり見送ってほしい」という方もいれば「あまり費用をかけずに行ってほしい」という方もいらっしゃいます。
葬儀は故人のために行うものです。ご自身だけの考えではなく、故人の意思を尊重した上で、お決めになられてください。
6 どの葬儀社に依頼するか選ぶ
葬儀社さんも様々です。地元で古くから営んでいるところもあれば、新しくできた葬儀社さんもあります。
源妙寺からも葬儀社さんをご紹介できますが、いずれもご家族でよく検討し信頼できる葬儀社をお選びください。
これはあくまでも参考です、みなさまが安心をして葬儀を行えるようにここに書かせていただきました。この他、解らないことはメールやお電話にてお気軽にご質問・ご相談くださいませ。
49日忌(ご埋葬)
人が亡くなった後には、さまざまなご準備が必要となります。
四十九日は来世の行き先が決まるもっとも重要な日で、故人の成仏を願い霊山浄土に行けるように法要を営みます。
葬儀のときの白木の位牌は仮のものですので、四十九日法要までに本位牌を準備してください。
本位牌は、基本的に仏壇屋さんで求めることができます。位牌の種類や、価格もさまざまですのでお悩みの時はお気軽にご相談ください。
法事は命日の当日に行うのが理想ですが、実際には参列者の都合もあり、最近は週末に行うことが多いです。必ず命日より早めの日に行うのが慣わしです。
49日忌の供養やお経については「ご法事をお願いしたい」のページをお読みください。